(ビジネス書)社長のための中小企業の決算書 読み方・活かし方 書評

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目次

なぜこの本を読んだか

自身理系で、会計の勉強をしたことはあったものの、基本的に上場企業の数値を読んだことしかなかった。特に、経営という視点で真剣に決算書と向き合うことはなかったため、中小企業の決算書を読むポイントをざっくり掴むために本書を選びました。

本の印象

全体を通して、毎月の試算表や毎年の決算書に触れられる立場の人向けで、借金の借入や、利益に対して借金の額・返済状況が適切かという視点で書かれています。”社長のための”と謳ってある通り、いち従業員の方にはあまりお勧めできない感じです。

こんな人にオススメ

経営者で、決算書のどこをチェックすれば良いか分からない人、自社の経営状態が外部から見てどのような状況か把握したい人など。

中身の紹介1

まずは、(1)自社の経営の安定度を図る指標と、(2)借入の多い少ないの判断の指標が気になりました。

(1)自己資本比率(%)=純資産 ÷ 総資産 × 100
⇨業種を問わず20〜30%、できれば50%以上に高めるべき。

自己資本比率が高ければ、不況が来ても銀行返済を乗り越えることができるとそう。ちなみに2019年の自社は○○%でした。。。

(2)借入月商倍率 = 借入金が月商の何倍か
⇨製造業の平均は5〜6ヶ月、その他の業種で3〜4ヶ月。平均以上だと借入が多い会社とみなされる。

自社の借入月商倍率は、8ヶ月でした。これが新しい機械の導入とかのためであればいいのでしょうが、特にそういうわけではないのでとても不安です。。。

中身の紹介2

毎月の試算表のPLをチェックすることで、売上や利益が目標通り推移しているか確認することで、年間の目標との乖離にすぐに対応できるようにしておくことが重要。

主な確認項目は3つ

  1. 毎月の売上高の推移
  2. 利益の状況
  3. 1年の着地予想

また、過去6ヶ月程度の対昨年比、年間売上の推移、前年同月の累計値の推移をチェックすることで、推移を見ることができます。

この試算表については、自社で毎月見ることを習慣づけられるよう、エクセルで表を作ります。(エクセル表の記事はコチラ

中身の紹介3

銀行が融資の際に重視するポイントは5つ。

  1. 本業 の 利益:経常利益
  2. 債務超過の有無:債務超過とは企業の負債総額が資産総額を上回る状態のこと
  3. 資 金 繰 り:PLやBSから判断
  4. 返  済  力:他の金融機関からの資金調達余力・社長の個人資産など
  5. 成  長  性:会社の売上/利益の伸びや市場動向

著者の具体的な紹介

安田順氏。安田経営診断事務所代表、中小企業診断士、経営革新等支援機構。住宅金融債権管理機構(現在の整理回収機構)にて、融資業務・債権回収、企業再生を経験。その後、経営コンサルタント会社、大手銀行系リース会社を経て、2001年に独立。